・水道水の残留塩素は本当に髪や頭皮に悪いの?
・髪や頭皮にどんな影響があるのか知りたい
・塩素除去してツヤ髪になりたい!
飲み水は気にして浄水する意識はあるのに、お風呂で使う水道水は気にしない人が意外と多いです。
私もそうでしたが、シャワーヘッドで塩素除去すると髪や肌に良いと聞いたことはあるけど、プールほど塩素が強いわけじゃないから大丈夫だと思っていました。
パサパサ髪を改善するために色々調べている中で、残留塩素が髪や頭皮に悪いことを知り、塩素を除去するというケアを取り入れました。
今ではツヤ髪習慣の一つになっています。
この記事では、以下を解説します。
- 水道水の残留塩素が髪や頭皮になぜ悪いのか
- 塩素は髪や頭皮にどんな影響があるのか
- 塩素除去の方法
髪と頭皮に悪影響を及ぼす可能性を少しでも減らす塩素除去。
それは日々の積み重ねとなって、健康的な頭皮とツヤ髪を育てることにつながります。
残留塩素は水道水に意外と多く含まれている
日本の水道水はそのまま飲むことができるくらいきれいで、世界的にもそういった国は少ないです。
しかし、衛生的に安全できれいな水は、浄水場で塩素消毒されているからという裏の一面もあります。
その消毒に使われている塩素は、「次亜塩素酸ナトリウム」といってハイターなどの漂白剤と同じです。
ハイターで手がガサガサになったことがあるので、これと同じと知るとちょっと怖い、、
水道水を塩素で除菌した後に残る塩素を残留塩素といいます。
残留塩素濃度は、法律でその基準が決められていますが、世界的に見ても日本の残留塩素の濃度は高いです。
法律では日本の水道水の残留塩素濃度は0.1mg/l以上と定められており、上限は厚生労働省が「水質基準1mg/l以下の目標」としており曖昧です。
日本以外の海外では、しっかりと上限が決められています。
給水栓における水が、遊離残留塩素を0.1mg/l(結合残留塩素の場合は、0.4mg/l)以上保持するように塩素消毒をすること。
引用:水道法第4条及び第22条等の関係について (mhlw.go.jp)
私の住んでいる地域の水道局に電話して、残留塩素濃度を確認したところ0.4〜0.5mg/lでした。
ちなみにプールは0.4〜1mg/lの間です。
浄水場から一番離れている家庭の水道水には、残留塩素が基準の0.1mg/l以上含まれていないといけないので、浄水場の近くは1mg/lかそれを超えることもあるそうです。
そして、季節によっても濃度は異なります。
特に夏は病原菌やウイルスが繁殖しやすいので、殺菌力を高めるため塩素濃度は上がると言っていました。
場所や時期によって、水道水に含まれる残留塩素濃度の違いがある!
残留塩素が髪や頭皮に悪い理由
美容師さんや毛髪診断士さん5人に話を聞いたところ、全員残留塩素は取り除いた方が良いと言っていました。
塩素による髪と頭皮への影響は、以下のとおりです。
たんぱく質である頭皮と髪が塩素によって酸化され、頭皮と髪が傷む
頭皮を守り髪の生育を助ける常在菌が殺菌されて、バリア機能が弱まる
髪の毛の表面のキューティクルにダメージを与えて、栄養分や水分が流れ出る
塩素はタンパク質を壊す
塩素はタンパク質を分解します。頭皮と髪はタンパク質でできているので、両方ダメージを受けます。
塩素が頭皮の常在菌を殺菌する
頭皮(体の皮膚全体も同様)には腸内細菌と同じように、常在菌が存在していてさまざまなバリア機能があります。
病原体の侵入や紫外線から守ったり、保湿など頭皮にとって大切なバリア機能のある常在菌を、塩素は殺菌力があるので死滅させてしまう可能性があります。
頭皮における代表的な菌は、アクネ菌、表皮ブドウ球菌、マラセチア真菌が知られています。
皮膚に常に見られる菌(常在菌)で、皮膚の自浄作用を一部担っています。
引用:頭皮と菌 (kao.com)
塩素は髪の毛のキューティクルが開いてダメージを与える
髪は弱酸性の状態が理想的で、キューティクルが閉じられた状態です。
塩素は強いアルカリ性なので、キューティクルが開きダメージを受けやすくなります。
美容師の人が「ヘアカラーはアルカリ性でタンパク質を壊して色をいれるので必ず傷みます」と言ってました。
塩素もヘアカラー剤と一緒のアルカリ性、、
残留塩素以外にも髪や頭皮に悪いことは意外とたくさんあります。ケアの方法や1日のおすすめルーティンなどを下記の記事で紹介していますので、ぜひ併せてご覧ください。
>>40代こそ髪にツヤが欲しい!ツヤ髪を育てる方法を徹底解説
残留塩素は頭皮のかゆみやパサつき、薄毛、白髪の原因の1つ
塩素は経皮吸収します。実験してみたのが上の画像です。
左の水道水は、残留塩素試薬でピンクに反応したもの。
中央は、髪の毛を水道水に10秒浸けた後、残留塩素試薬を入れたもの。
右は、指を水道水に10秒浸けた後、残留塩素試薬を入れたものです。
塩素が髪と頭皮に、割りと早く吸収されるということを目で見て実感できました。
シャンプーや入浴時には長い時間、たくさん吸収することになります。
さらにシャンプーの後は頭皮の皮脂が流れるので、塩素の影響を受けやすくなります。
頭皮のかゆみやパサつきをはじめ、薄毛、白髪などのさまざまな悩みの原因は日々の生活の中にたくさんあります。
頭皮と髪にダメージを与える塩素は、その原因のうちの1つです。
塩素は、水と反応して活性酸素の一種である次亜塩素酸を発生させます。次亜塩素酸という活性酸素は、毛根を攻撃し白髪や薄毛の原因となります。
引用:辻敦也(2021)「白髪は防げる!」かんき出版(pp.88-89)
残留塩素を除去する方法
塩素除去機能のあるシャワーヘッドに交換することで塩素除去できます。
シャワーだけではなくて湯舟のお湯も塩素除去できた方がより良いです。
入浴中の湯気から呼吸によって吸収する量は、1リットルの水道水を飲んだのと同等という研究結果があります。
研究所に実際のシャワールームを設置し、水道水中に普通に発見される化学物質を測定した。その結果、15分の入浴とシャワーの間に、呼吸によって吸収される揮発性汚染物質の量は、1リットルの水道水を飲んだときに摂取される量と同じであった。
引用:【論文名】TOTAL EZPOSURE TO VOLATILE ORGANIC COMPOUNDS IN PTBLE WATER
(水道水に含まれる揮発性有機化合物への総合的被爆)
【発表者】ジュリアン・アンデルマン 米国ピッツバーグ大学・大学院教授(水化学専攻)
浴槽のお湯は、お家にあるものでも意外と簡単に塩素除去できます。
シャワー | 塩素除去機能のあるシャワーヘッド |
浴槽 | エプソムソルト、ビタミンC、緑茶 |
肌のバリア機能が弱い赤ちゃんや小さい子供、敏感肌の人にはもちろん、髪や肌の乾燥を抑えたい人にもおすすめです。
塩素除去機能のあるシャワーヘッドを使う
塩素除去機能のあるシャワーヘッドは、水道水が「カートリッジ(ろ材)」を通って残留塩素を取り除きます。
カートリッジは定期的に交換する必要があります。
塩素除去シャワーヘッドのカートリッジの種類と特徴
塩素除去シャワーヘッドのカートリッジの種類は、亜硫酸カルシウム、活性炭、ビタミンCの3種類あります。
それぞれの特徴を下記にまとめました。
塩素除去率 | 水圧 | 交換頻度 | |
---|---|---|---|
亜硫酸カルシウム | 高い | 維持できる | 中間 |
ビタミンC | 高い | 維持できる | 多い |
活性炭 | 低い | 弱い | 少ない |
カートリッジは、塩素除去効果が高く水圧が維持できる「亜硫酸カルシウム」がおすすめです。
塩素除去シャワーヘッドのメリットとデメリット
塩素除去シャワーヘッドのメリットとデメリットは以下のとおりです。
メリット | デメリット |
---|---|
残留塩素による髪と頭皮へのダメージを抑えられる | カートリッジのランニングコストが必要 |
シャワーは毎日使うものです。
積み重ねで、ある時いきなり髪や頭皮の悩みになる可能性があります。
髪や頭皮に少しでも悪い要素を取り除くことが大切です。
カートリッジは、ランニングコストがかかりますが、節水効果もあるシャワーヘッドだと年間約2万円前後の水道代が浮くのでカバーできます。
下記の記事では、頭皮と髪にいい塩素除去シャワーヘッドのおすすめ4選を紹介していますので、ぜひ本記事と併せてご覧ください。
>>塩素除去+ウルトラファインバブルのシャワーヘッドおすすめ4選
浴槽にはエプソムソルトかビタミンCか緑茶を入れる
浴槽の残留塩素を除去するには、入浴剤やお家にあるものでも簡単に除去できます。
即効性があるおすすめの塩素除去方法を紹介します。
エプソムソルト(硫酸マグネシウム)で塩素除去
瀬戸内海の海水から抽出されたミネラル100%の入浴剤
ソルトという名前ですが、塩ではなく硫酸マグネシウムです。硫酸マグネシウムは温泉の成分にも含まれています。
体の酵素の活性に関与する必須ミネラルで、元気に過ごすために必要なミネラルです。セラミドの合成にも関わり、皮膚のバリア機能も整います。
湯船のお湯150〜200lに対して、エプソムソルトを150〜300g入れます。(付属の計量スプーン30gで5杯くらい)
エプソムソルトは塩素を中和し、塩素を除去します。
お風呂の残り湯を洗濯に利用できます。追い炊きできます。
髪の約8割はタンパク質でできています。
マグネシウムはタンパク質の合成に必須のミネラルです。髪を黒くする「メラノサイト」の働きも活性化させます。
私は体に必要な栄養素について調べていた時に、エプソムソルトの成分であるマグネシウムは経皮吸収できるということを知りました。
現代人はマグネシウムの摂取量が不足しています。
塩素除去もでき、髪の栄養補給にもなり血行も促進されるエプソムソルトは、髪のサプリメントとして必需品です。
お風呂から上がった後もしばらくポカポカが続くので、冷え性にはピッタリ!
ビタミンCで塩素除去
錠剤なので、お湯をためる前に1錠入れるだけなので使いやすいです。食品添加物グレードのビタミンC配合。
お湯がやわらかな肌あたりになり、お風呂の塩素による肌荒れや髪のダメージを防止
紹介している錠剤が使いやすくて便利ですが、ビタミンC粉末がある人は、0.2g〜1g湯舟に入れます。
ビタミンC(アスコルビン酸)が塩素成分を中和し、お湯がマイルドに軽く感じます。
入浴剤の成分にビタミンCと記載のあるものもあります。
レモンも検討しましたが、コスパが悪いです。
ビタミンCはお風呂の残り湯を洗濯に利用できます。追い炊きできます。
緑茶で塩素除去
緑茶を湯呑1杯程度、湯船に入れる。
緑茶のカテキンには還元作用があり、残留塩素を分解し、まろやかなお湯になります。
カテキンには抗菌作用もあります。
緑茶は洗濯物に着色するので、お風呂の残り湯を洗濯に利用できません。
髪や頭皮に悪い残留塩素を除去して、ツヤのある髪に
残留塩素が髪や頭皮に悪い理由は多くあります。
少しでも悪影響を及ぼす可能性のあるものを取り除くことは、髪と頭皮にとって良い状態にするための土台になります。
それは、ツヤ髪を育てる為のケアの1つです。
今よりもっとツヤツヤになる日を楽しみにしながら塩素除去ケアを試してみてください。